基礎知識


 

【観測者との位置関係】

観測者と太陽と主要なポイントとの位置関係を上図に示します。太陽の反対側の方位で同じ高度(仰角)のポイントが向日点。反対側の方位で、太陽高度と同じだけ下向きのポイント(ようするに太陽の真後ろ。自分の影の頭の位置)を対日点。太陽と同じ方位で、太陽高度と同じだけ下向きのポイントを映日点といいます。

 

【屈折率】

屈折率は物質中の光の速度と、真空中の光の速度との比です。物質によって変わり、また光の波長によっても変わります。通常、ナトリウムD線(0.5893μm =ナトリウム灯の黄色い光)に対する屈折率で表し、空気の場合はほぼ 1 、水は1.333、氷は1.309になります。ちなみにガラスは1.4〜1.8、ダイヤモンドは2.420です。

光の波長による屈折率の変化は物質の違いに比べると小さなものです。たとえば水の場合、波長が0.40μm(紫)と0.66μm(赤)ではそれぞれ1.3435と1.3318になり、その差は0.0177でしかありません。しかし、この差が虹などのあの色彩を生み出しているのです。

 

【スネルの法則】

光が空気中から水(あるいは氷)に入射する場合を考えてみます。このときに光は屈折しますが、空気の屈折率をm1、水(あるいは氷)の屈折率をm2とすると、入射角θi と屈折角θt のあいだには以下の関係が成り立ちます。

sin θt /sin θi = m1/m2

これをスネルの法則といいます。

今度は水(あるいは氷)から空気中に光が出ていく場合を考えてみます。入射角が大きくなっていくと、屈折角も大きくなっていきます。入射角がある角度になると、屈折角は90°となって光は水面から出ることが出来なくなってしまいます。これ以上入射角が大きくなると、光は反射して水面から出ていく光はなくなってしまいます。これを全反射といいます。屈折角が90°となって光が水面から出ていけなくなる入射角を臨界角(θcr )といい、以下の式で表します。

θcr = sin^-1・(m1/m2)

水の臨界角は48.6°、氷の臨界角は49.8°となります。

尚、反射角(θr )は入射角と等しくなります。

 

【偏角】

光が水滴や氷晶などによってどのくらい曲げられるかを偏角(偏向角)といいます。上図は六角形の氷晶によって曲げられる光の道筋を表しています。六角形のひとつの面から入射した光が、ひとつおいた面から出ていく場合、頂角60°のプリズムとして作用します。

では、入射した光が隣り合った面から出ていく事はないのでしょうか?この場合は120°のプリズムに相当します。この場合、氷晶内に入射した光が隣の面に向かうには60°以上の屈折角が必要です。ところが氷の場合臨界角は約50°ですから、光は隣り合った面には向かえない事になります。ですから氷晶の場合は120°のプリズムとしては成立しない事がわかります。

六角形の向かい合った面の場合は、氷晶に入射するときの屈折と出ていく場合の屈折で、打ち消し合ってしまうので、入射角にかかわらず偏角は常に0°です。

これとは別に氷晶にはもう一つプリズムとして作用する角度があります。図は六角板状の氷晶を横から見たところですが、それぞれの角が90°のプリズムとして作用します。

 

【最小偏角】

 

上図のように氷晶への入射角を変えて偏角の変化を見ます。偏角の変化はスネルの法則によって導き出されますが、計算してみるとある入射角の時に偏角は最小になることがわかります。その時の偏角を最小偏角と言います。

 

上図は氷晶の60°プリズムの入射角に対する偏角の変化のグラフです。入射角が41°付近で偏角が約22°と最小になっています。最小偏角の付近では、入射角が変わっても偏角があまり変化しないのが特徴です。また、入射角が14°でグラフが切れているのは、この入射角以下では光が氷晶から出る時に全反射が起こってしまうことを表しています。

尚、同様に氷晶の90°プリズムについて計算すると、最小偏角は約46°となります。

 

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